「サーブを100球連続して入れようとしているときに、3球目攻撃の体勢を取れば、肺の気が流れやすいということでしたが、それでも肺に気が流れない場合は、マニアックな練習をするか、詰碁の練習をするかのどちらかということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。いずれにしても、練習に時間がかかり大変です。」

「詰碁はしたことがないのですが、100問連続で正解するのに、どのくらいの時間がかかるのでしょうか」と町会長。

「僕は有段問題を1時間ぐらいでできますが、息子は初級問題をやるのに3時間ぐらいかかるようです。」

「息子さんは、何級ぐらいなのですか」と町会長。

「実は、僕自身、囲碁は数えるほどしか打ったことがないので、息子のレベルを判断することはできません。しかし、最強の囲碁というソフトと対戦すると、2段としてなら勝てるようですが、3段としては勝てないようです。」

「それでは、初心者が詰碁を100問連続で解くということは不可能ではありませんか」と町会長。

「方法はありますが、100問連続で解けるようになるまでに膨大な時間がかかります。それで、囲碁ではなく、卓球をお勧めしました。」

「渡辺さんは、有段問題を、毎日、200問連続で解いているのでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。朝食を食べる前に150問解くようにしています。」

「朝食を食べる前に150問ですか。よほど囲碁が好きなのですね」と町会長。

「囲碁を打ちたいという気持ちより、囲碁の対局は時間がかかるので避けたいという気持ちが強いタイプです。」

「それでは、なぜ詰碁を、毎日、200問連続で解いているのですか」と町会長。

「小脳が経絡的に思い切り機能低下してしまっているので、緩めなければ、若返りが不可能だと分かったからです。」

「渡辺さんの小脳は、そんなにひどく機能低下しているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。腎の治療をしても、肥田式をしても、サーブの練習をしても、それに反応して体を変化させるのは小脳です。小脳がダメになってしまうと、若返りは不可能です。」

「詰碁は、小脳の機能を上げることができるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。卓球はマニアックに練習すると、肺の機能が上がり、経絡の連鎖で腎臓の機能が上がります。その結果、腎経に属する頭蓋骨が緩んで、動体視力が上がります。ところが、詰碁は、直接、脳を緩めることができます。脳を経絡的に緩めるのが目的であれば、詰碁以外には考えられません。」

「なるほど。若返りたいのであれば、毎日、詰碁をやるしかないのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。人間の小脳は経絡により、限界的な機能低下をしています。」

「それでは、僕の小脳も限界的な機能低下をしているのでしょうか」と町会長。

「おっしゃる通りです。人間は自分の脳が機能低下しても、脳が機能低下したことに気がつかないように進化しています。」

「記憶力が低下したのには、気がついていますが」と町会長。

「確かに、記憶力の低下だけは気がつく人が多いようですが、思考力の低下や判断力の低下には気がつかない人がほとんどです。自分の思考力や判断力を判断するのは、自分の思考力と判断力ですから、それが低下すると正しい判断はできません。」

「それでは、小脳が機能低下しているために、誰も若返ることができないのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。毎年1歳確実に若返ることができれば、不老不死です。しかし、120歳を超えた人は1人しかいません。」

「それでは、囲碁には不老不死になる可能性があるのですか」と町会長。

「可能性があるのは囲碁だけなので、毎日200問解いていますが、その結果、どうなるかは分かりません。30年間失敗の連続でしたから、自信は全くありません。」

「他に方法が考えられないので、詰碁をやっているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕が時間を費やしているのは、卓球でも肥田式でもありません。詰碁です。小脳の機能が上がれば、練習しなくても、卓球は強くなります。しかし、小脳が緩まなければ、いくら練習しても限界があります。」

2020/3/31

<著者の一言>
詰碁は不思議だ。高段者問題を解くのは2度めになるが、1問解くスピードは変わらない。しかし、有段問題と違って、脳の変化が大きいため盤面が乱れたり、脳が限界に達して正確に読むことができなくなったりする。

そのため30問おきに30分くらいの休憩時間を取らないとミスをして、最初からやり直しということになる。150問解くには、休憩時間だけで2時間は必要だ。90問あたりでミスをして、最初からやり直すと、悲惨なことになる。2回最初からやり直したときは、詰碁以外何もできない状態だった。100問を超えてからミスをした場合、経絡は進まないので、最初からやり直すことはしない。そこまでやったら生活が成り立たない。

150問連続で正解するには工夫が必要だった。例えば、前日に第1問から第150問まで解いたら、当日は第2問から第151問まで解くようにしたのだ。最後の問題は、正解手順が思いだせないことがほとんどだが、1回めと違って時間をかければ読み切ることができる場合が多い。多分、盲点となるようなところが、2回めとなると盲点ではなくなるのだろう。しかし、1問解くのに30分近くかかる。

息子の場合、テレワークや会社から帰宅した後で詰碁をするので、時間的制約があり、絶対にミスをしないで詰碁をするのは難しい。200問解いていた頃はミスをしても、最初からやり直すことはできなかったようだ。今は、1日105問にして絶対間違えないように初中級の問題を繰り返し解いている。その結果、かすかに年を取っていたのが、年を取らなくなったようだ。

2023/3/13